日時: 11月11日 18:00~19:30
講師: 金野光宏
話題: 予備校、学習塾業界の現状とこれから
概要: 少子化という状況のなかで学校との協業や代ゼミの大規模な事業縮小、文科省の教育政策との関わり等について
知識詰め込み教育 ゆとり教育
知識偏重 生きる力 自ら学び自ら考える
基礎・基本重視 体験学習
画一的で詰め込み 問題解決型、個性、多様性、選択
受験地獄で学歴社会 目標なく勉強せず
平等、教育の機会均一 不平等、教育の機会均等が崩れる
階層の格差拡大
規制、中央集権、全国一律 規制緩和・撤廃、地方分権、地域格差拡大
戦前の複線型から単線型に 複線型に一部復帰か
工業社会に対応、高度成長社会 情報化社会、国際化社会に対応
を支えた
ゆとり教育はそれなりの理念をもって推し進められたが、効果を検証できないまま廃止に追い込まれた。読み・書き・そろばんの基礎・基本事項を軽視した考えも失敗の一因と言える。
ゆとり教育をやってみて、旧指導要領の良さもいくつか見直されたが、時代も変化して、旧課程を復活させてもうまくいかないだろうということになった。学歴社会の崩壊、格差社会の進行などが原因。
90年代の失われた10年に加えて「ゆとり教育で失われた10年」計20年、日本の教育界は立ち遅れたことになる。
高等教育の「日本病」
高等教育のグローバル化が急速に進んでいる
高等教育めぐるトリレンマ
トリレンマとは三つの要素のうちいずれか二つは成り立つものの、残りの一つの要素を並び立たせるのが困難になる状況。1. 教育の質の維持 2 教育機会の平等(量的拡大)3 高等教育の国家による持続可能な財政負担 刈谷剛彦氏の指摘。
なお、海外の高等教育の実情については、当日、福島から駆けつけてくれた蛯名氏の追加説明をいただいたので別途掲示してもらっています。
日本における「貧困率」の問題 1/6
厚生労働省「国民生活基礎調査」
相対貧困率 等価可処分所得の中央値の半分の額にあたる「貧困線」に満たない世帯の割合を示す。今年度年収で122万円未満。所得格差の」拡大、ワーキングプアの増大。
☆絶対貧困率は別。世界銀行の定義。1日$1.25以下。
子供の貧困率=16.3% 過去最悪を更新。 OECD30カ国中ワースト4位。下の方からメキシコ、トルコ、アメリカ、日本の順番。日本が貧困と言ってもピンと来ないが、格差社会の進行状況を示す統計と言える。
「右肩下がりの教育投資」(佐藤 優)
子供貧困大綱の制定 政府が本腰を入れての取り組みを開始。
貧困を排除してゆくのは容易ではないが、子供をめぐる環境、教育制度を見直し悪循環を断ち切っていくことが喫緊の課題。民間での真剣な取り組みがすでにいくつか進行中である。
塾・予備校業界の話題
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以上